『家具工房旅する木』は豊かな「暮らし」、「心」、「時間」をご提案、ご提供します。


つむじ風通信

実は、学生の頃シナリオライターになりたくて、新聞社のコンペに出展していました。
箸にも棒にも引っかかりませんでしたが‥
文章を書くのは好きなので、妻のそよかぜ通信とともに、日常でのちょっとした出来事を
載せていこうと思います。なんちゃってシナリオライターにお付き合い下さい。

12/29 ”感謝をこめて”

今年も後3日となりましたね〜。

今日はお世話になった方にプレゼントするカッティングボード(上写真)を作って、
午後から大掃除をしました。
そして機械に、油や、グリスを注入し、今年一年の仕事納めをしました。

僕の使っている機械は、どれも20〜30年前の中古の機械ばかりなんだけど、
それでも僕の所へ来てから、どの機械も一回も故障もせずに頑張ってくれています。
そんな機械たちに、「今年も一年、ありがとうね〜。」なんて言いながら、
今年一年の出来事や、生まれた家具のことを思い出しました。

毎年思うのですが、今年も、本当に気持ちの良いお客と出会い、僕も
気持ちよく家具を製作させて頂き、喜ぶ顔を見て
、嬉しい声を聞くことができ、
幸せな一年でした。

『旅する木』は、全てオーダーで家具を製作しているので、打ち合わせや、
メールのでやり取りを何回も重ね、製作にも時間をかけるので、自然とお客様とは、
深い関係になります。そして、家具を納めた後も、友達の様な関係になって、
皆さん、『旅する木』を応援してくれています。

そんな一つ一つの声が、僕や、家族、旅する木を支えてくれて、
「今日も喜ばれる仕事を僕にさせて下さい。」というお祈りと共に、
毎朝新鮮な気持ちで一日をスタートする事ができ、そんな一日を積み重ねて、
一年を振り返った時、「あ〜、幸せな一年だったなぁ。」と思えるのです。

”家具”を通して、このような素晴らしい出会いを与えられ、素晴らしい関係を
持てる事に、とても感謝しています。
感謝しているだけで、「じゃあ、何かしたの?」と言われると「…」

先日、家族でドライブしている時、妻と「応援してもらうだけで、こっちからは
何も出来ていないね〜。」という話しになりました。
その辺りが、来年の『旅する木』の課題であり、一つの目標にしようと思っています。

とりあえず今年の僕はまだ感謝しかできない僕なので…。

今年一年、本当にありがとうございました。
心より感謝致します。
来年もどうぞ、よろしくお願い致します。

それでは良いお年をお迎え下さい。
皆様にとって、素晴らしい寅年になることを祈っております。

  

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12/20 ”話しを聞かない男…”

ちょっと(かなり?)前に『話しを聞かない男、地図が読めない女』という本が
流行りましたよね。
実は僕はこの本を読んではいないのですが、大体の内容は知っています。
僕も相当、”話しを聞かない男”らしいのです。妻曰く…。。

娘や、最近おしゃべり出来るようになってきた息子が、「パパ…」、「パパ…」、
「パパ!」
「何?」とか、
妻の問いかけを無視。なんてことがしょっちゅうです。
夫婦喧嘩の9割がこれが原因ですね〜。

でも多くの女性を敵に回すかも知れませんが、あえて言わせてもらうと、
今さっきまで、娘や息子にしゃべっていた同じトーンで、急に僕に話しかけられても、
テレビ見ていたり、パソコンやっていたり、新聞読んでいたりしていたら、
気が付きませんよね。
「え!俺に話しかけてたの?」って感じですよ。

特に妻が怒る時は、大事な話しや、相談をしているのに、僕がくだらないテレビに
夢中になって、話しを聞いていない時ですね。
このように書くと、僕が悪いように感じますが、でも、これも言い訳させてもらうと、
テレビを見ているのが先なんですよね。くだらなかろうか、なんだろうが、
その時点では夢中になっちゃってるんだから、その時に話しかけられても、
聞こえてないんだから答えられないのは、仕方がない…。

それでも妻が言うには、夢中になってる内容が、くだらな過ぎる!のだそうです。
そして、夢中モードが深いんですね〜。

随分昔の事ですが…
友達に手伝ってもらって機械加工をしていた時。。
バンドソーという糸鋸の大きい機械で、材料を線に沿ってカットしていたんですね。
急に友達の、「危ない!」っという叫び声で、「ハッ!」と我に返り
寸でのところで指切断を免れました。
友達の、「どうしたの?」という問いに、
僕の答えは、「もののけ姫っていつも何食べてるんだろう?」
友達「・・・」

く、くだらね〜!妻の言う通りかも…。
これには弁解の余地がないですね。とりあえず怪我しなくて良かった。
なんか、分が悪くなってきたので、このへんで退散いたしますか?
それでは宴もたけなわですが、本日はこの辺で…。

・・・ 
逃げ足も速いんですね〜。実は…

  

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12/16 ”幕末の志士”

  

先週末、仕事の打ち合わせで、旭川に行ってきました。
6年前まで、旭川で修行していたのですが、わずか6年で、随分町並みが
変わったな〜。とちょっと運転に戸惑いました…。

変わったのは町並みだけでなく、旭川家具をとりまく環境も変わったようです。
僕が修行してい頃は、お先真っ暗な業界で、元気の良い若い経営者、活気のある
工房など見当たらず、若い職人達は皆、心の隅に将来の不安を抱え、先の事は
考えないようにしていた。というのが実情でした。

でも、そのような現状を打破すべく、新しいアイデア、情熱を持って、今までの
やり方や、常識を打ち破って行くのは、やっぱり若者なんですね。

旅する木に来てくれる旭川の若き家具職人達から、そいういう情報を聞き、
せっかく旭川に行くのだから、そんな若い経営者の方々に会って話しをし、
夜、情熱ほとばしる職人達の集まる場を作ってもらいました。

高い技術とデザイン、新しい感覚を持って、個々が力を合わせて世界にその良さを
発信していこうとする彼らのやり方を目の当たりにして、旭川家具は、ここ10年と
言わず3、4年で大きく世代交代が進み、20代、30代を中心に動き始めるなぁ。と
実感しました。

夜、集まった高等技術専門学院の生徒や卒業生、経営者達との話しも楽しかったですね。
みなぎる情熱のやり場を探して、日夜動いている人たちばかりで、独立する人有り、
海外でさらなるステップアップを目指す人有り…etc。
きっと数年後、これまた大きな流れを作って行く予感がしました。まるで幕末の志士の
ようでした。

高い志と、熱い情熱を持って、一生懸命に人生を歩んでいる人たちと、
同じ時間を共有出来る事は、素晴らしいですね。
僕も、自分の進むべき道を、力強く進んで行こう!その中で、時には彼らと交わって、
新しい何かが出来たら楽しいなぁ。と思いました。

上の写真は、伺った工房の風景です。ついつい、道具、とか治具に目が行ってしまいます。

それにしても、もの作りをしている人は、みんな良い人ですね〜。
はたして僕は?

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12/11 ”ノンノの散歩”

気が付けば、もう師走も半ばに差しかかっていますね〜。
一年がなんと早い事。って、なんか毎年書いている気がします。
テレビを付けると、年末恒例の番組が多くなってきましたもんね。

ここ、当別は札幌より若干気温が低く、雪も少し多いんですね。
学校の校庭には、すでに雪が積もっています。

朝、晩に僕は愛犬ノンノの散歩に出かけます。
朝は学校の校庭で遊んだ後、隣の東裏神社に行って、お参りをしています。
ノンノのお陰で毎朝、神社にお参り出来る習慣はすごくいいんです。
そんなに悩む事や、落ち込む事の無い僕ですが、それでも多少気分の良くない
日もあります。
そんな時も、お参りして、境内で寝転んでボケーとしていると、だんだん
心もボケーとしてきて、「なんとかなる、どうにかなる。」って思えてくるんですね。

夕方の散歩はもうすっかり日が暮れて、真っ暗の中を、自転車に乗りながら
3
キロくらいのランニング。
これがいいんですよね〜。
冷たい冬の澄みきった空気と、電灯ではなく、月明かりだけのひっそりとした暗さが、
安らぎと、癒しをくれて、心が充電してくるのが判るんです。
そして、自転車を思いっきり走らせ、ノンノと競争。
体力旺盛で、気の強い北海道犬は、自分の前を走られるのが屈辱で、
耳をパタッと寝かせて、低い姿勢で、弾丸のように僕の自転車の前を走るのです。
僕は僕で、結構負けず嫌いな方で、「主人は俺だぞ!」とばかり、渾身の力で
ペダルを踏むのです。そしていつも、体力負けでノンノに軍配…。

かすかな音を聞き分けるのか、僕が工房の玄関の鍵を閉めて、自転車に乗ると、
200メートルくらい離れた自宅にいるノンノが、甲高い声で「ワオ〜ン、ワオーン」と
叫んで、飛び跳ねて、体全体で大歓迎?して迎えてくれます。
寒くてそそくさと家に入ると、しばらく「ギャンギャン」、そのうち寂しそうに
「クウ〜ン」、そしてあきらめて「シーン」。
なんだか可哀想になって、散歩の準備をして玄関開けると、嬉しそうに「ワオ〜ン」
かわいいんですよね〜。

すみません、落ちも何も無く、ただの親バカでした〜。チャンチャン!

  

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11/30 ”第2回クラシックコンサートを終えて”

昨日、工房の体育館で第2回クラシックコンサートを行いました。
第1回目と楽器をガラリと変えて、ピアノの他は、トランペット、サキソフォーン、
テューバと、見た目が派手な楽器で演奏してくれました。
選曲も皆さんご存知の曲や、陽気で、楽しい曲ばかりで、今回も
楽しくて、贅沢な時間を過ごす事が出来ました。

旅する木のクラシックコンサート、とても好評なのは、演奏者が
それぞれの楽器の説明を、解りやすい言葉や、プログラム以外のちょっとした
演奏で話して下さったり、楽器に音が変換される前の、マウスピースの状態では
どういう音が出ているかなどを話してくれるんですね。
いままで遠い存在だったクラシックや、触った事の無い楽器が、なんだか身近に
感じられるんですよね〜

実際に演奏者はすぐ目と鼻の先で演奏してくれて、その息づかいまでもが感じられる
距離で、有名な音楽家の方々が演奏して下さるのですから。それはすごい感動で、
幸せな気持ちになるのです。

15キロもあるテューバ演奏者はなんと女性の三上 麻希子さん
演奏してくれた『ローズ』は感動的でした。
輝かしい経歴を持つトランペットの櫻井匡さんの『北の国から』は夫婦共々、泣きそうに
なってしまいました。
今回のコンサートの一番人気は、これまたエリート街道躍進中の西村
彰紘さんの
サクスフォーンによる『Sax- O-Phun』。愉快で軽快なリズムと、サクスフォーンでは
鳴るはずのない音が随所にちりばめられていて、夢中になって聴き入ってしまいました。
そして、前回も今回も、その素晴らしい演奏力で会場を魅了したピアノ。演奏者は
矢崎有佳さん。東裏小学校にピアノが無いので、今回も電子ピアノだったのですが、
アンケートには毎回、いつか矢崎さんの本物のピアノの音色を聴いてみたい。という
リクエストがあるのです。

前回参加下さったほとんどの方が、今回も参加して下さり、前回を上回る、
80名ほどの方が来てくれました。嬉しいのが、「楽しみにしていたのよ。」
とか、「前回良かったから、友達を誘って来ました。」という声をかけて頂いた
ことですね〜。

口コミや紹介で、少しずつ、でも確実に広がっていく。
これが旅する木のスタイルで、僕にとっては、とても嬉しいことなんです。
そして、さらに嬉しいのは、プロの音楽家達が口を揃えて言うのですが、
「この体育館、すごく音が良い!」とおっしゃってくれるんです。鉄筋、
鉄骨、コンクリートを一切使わず、木造の体育館の温かみが、柔らかくて
温かい音を聴かせてくれるんですね。

今日、地元の方にお手伝いしてもらって、後片付けをしました。「イベントは
準備やら何やらで、大変だったでしょう。」と言って手際良く片付けて下さり、
助かります。本当にありがとうございます。

そして午後、誰もいない体育館で一人、仕事をしていると、やっぱり余韻というか、
残像、いや、残奏(?)が聴こえてくるようで、ステージを見上げては、
ちょっと寂しい様な、でも幸せな様な心境に浸っていました。この哀愁感に、
広い体育館に一人で浸っていられる心地良さが、なんとも贅沢で豊かな時間なんですね。

僕にとって、このクラシックコンサートは2度幸せを感じられるのです。。

   

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