『宇宙一』の演技が伝えてくれたもの | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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『宇宙一』の演技が伝えてくれたもの

ミラノ・コルティナオリンピックが終わりましたね。
世間のトレンドに漏れることなく、僕もりくりゅうペアーに感動しまくってます。
団体戦の演技の後、高得点が出た時、璃来さんが飛び上がって喜んで、ずっこけて画面から消えた姿が可愛らしくて、ついつい動画を見ては、心がほっこりして、幸せな気持ちになっています。

フィギアスケートは冬季オリンピックの最も華やかな競技ですし、日本人選手が活躍するので、毎回楽しみに見ています。
でも、りくりゅうペアーの二人がよく口にするように、フィギアーのペアーはマイナー競技で、僕も今まで気に留めたことがありませんでした。
今回も全く気に留めてなかったのですが、朝ご飯を終えて、食器の洗い物しながらニュースを見ていたら、りくりゅうペアーのフリーの演技の映像が映っていて、それを見ていたら、いつの間にか手が止まって、涙が流れていました。
最後、龍一くんが璃来さんを持ち上げて、ものすごい形相で演技を終え、その後泣き崩れた時には、僕もほぼ号泣(笑)。
ものごころついてからの僕の歴代オリンピック感動場面の第一位が塗り替えられました。

ちなみに今までの第一位は、長野五輪のスキージャンプ団体での、原田選手の最後の大ジャンプからの「ふ〜な〜き〜」でした。

すっごい昔ですけど、ロス五輪の時の柔道。
山下選手が2回戦で肉離れの怪我をしたのに、全て一本勝ちで勝ち進み、決勝戦でもエジプトの選手に一本勝ちして、そのまま畳の上で寝転んだままガッツポーズをしている姿は、子供心ながら、感動したのを覚えています。

浅田真央選手のソチ五輪で、ショートで大失敗した後の、歴代最高得点のフリーの演技も感動的でしたね。

 

オリンピックの話は冒頭の挨拶がわりで、別の話を書こうと思ってブログを書き始めたのですが、なんかこんな感じになったので、このまま今日はオリンピックの話にしようかと思います。
ブログはいつもこんな感じで、行き当たりばったりで書いているので、どこにどのように着地するかわかりません。そんな僕のブログを読んでくれている方には、本当に嬉しくて、感謝しています。

 

冒頭で紹介した僕の中で印象的なオリンピックシーンを見てみると、どれもどん底の逆境の中からの復活劇なんだなあっと、改めて気がつきました。きっと僕は、そういう劇的なのが好きなんですね。

今回のりくりゅうペアーは、ショートで得意としていたリフトを失敗して、龍一くんは立ち上がれないほどのどん底な状態で、眠ることもできず、泣き明かした翌日、いつもは支えられる側の璃来さんの、「今日は龍一君のために滑るよ」っという言葉で気持ちが切り替わって、あの会心のフリーの演技が生まれたんだそう。

長野オリンピックの原田選手については、4年前のリレハンメルにさかのぼります。
最終滑走の原田選手の時点で、日本は総合1位で、当時絶好調で、何度もW杯で優勝していた日本のエース原田選手にとっては、ごくごく普通どころか、多少失敗ジャンプであったとしても、金メダル間違いないという状況だったので、解説者も観客も、もう金メダルとって喜びを爆発させる準備ができている状態の中、まさかまさかの大大大失敗ジャンプ。金メダルを逃してしまいました。
頭を抱えて疼くまる原田選手の姿に、僕自身、テレビに向かって文句を言っていたのを覚えています。

これがあってからの4年後の長野オリンピック。
原田選手は今回は4人の日本人選手の中で3番目に飛ぶ順番。
前の二人の選手が良いジャンプをしたので、その時点で日本はダントツのトップに立っています。
原田選手とその時のエース船木選手の実力だったら、金メダルいけるんじゃないかと誰もが期待します。
ところが、原田選手がジャンプする直前、天候が急変。猛烈な雪で最悪の状態になります。
そんな中飛び出した原田選手は、見たこともないような、まだまだ斜面が残っている途中の70メートル台で着地。日本はメダル圏外の4位に転落。
僕はもう頭に来て、「またか!原田!」っと叫んだような記憶があります。

この後、競技を中断するか続行するかのドラマがあるのですが、これを書いたら長くなってしまうので、ここでは省きます。テストジャンパーの頑張りで、続行が決まります。

2本目のジャンプ。
前の日本の選手も良いジャンプをして、金メダルの行方は原田選手と船木選手に託されます。
日本での開催なので、日本中が固唾を飲んで原田選手のジャンプに注目。
ここで原田選手はこれ以上飛んだら危険というK点を遥かに超えて、観測できない地点までの大飛行をするのです。
画面では至る所で日の丸が振られてお祭り騒ぎ。
誰もが日本の金メダルを確信して、最後の船木選手のジャンプを見守ります。
まさに4年前と同じ状況。
船木選手の今の心境を誰よりも理解している原田選手だからこそ、この場面で伝説の
「ふ〜な〜き〜」になるんですね。

船木選手はいつも通りのジャンプをして、悲願の日の丸飛行隊の金メダルが確定し、今度は喜びで倒れ込む船木選手の元に原田選手たちが覆いかぶさるのです。

原田選手はこの大会の当日の朝、前回、自分のせいで金メダルを逃した時のメンバーで、長野では代表に選ばれなかった葛西選手のグローブと、西川選手のアンダーウエアーを身につけて挑んだんだそうです。

ソチ五輪のショートで大失敗した浅田真央選手も、後に
「とことん落ちるところまで落ちたので、あとは自分を信じて、納得する演技をするしかないっと吹っ切れたのが大きかった」っと語っています。

 

このような現実のドラマを見せられると、人生、なにが良いのかなんて、全くもって判らないものだと思えてきます。

オリンピック以前の映像の中で、龍一くんと璃来さんが、「自分達が良い演技をして活躍することで、ペアー競技をもっともっと広げたい」っと語っています。
ショートの失敗がなく、順調に予想通りトップで通過して大喜びして、フリーでもあの演技でダントツの金メダルだったら、ここまで世界中の多くの人を虜にするような注目をあびることもなかったのかなっと思います。
そう思うと、神様が二人の願いを叶えるために、あのショートの失敗を…?
なんてことも思ってしまいます。
二人にとってリフトは、得意中の得意な技で、失敗したことなどなかったそう。

上記の原田選手も、4年前の戦犯的な失敗ジャンプがあったのに、よりによって原田選手の順番の直前に天候が荒れて大雪になるなんて、誰が仕組んだの?
そして誰もが落胆して、4年前を再現したような一回目の失敗ジャンプの後の二回目の超大飛行なんて、なんか話が出来過ぎてませんか?
あの時、ちょうど上場一部企業のオリンパスを辞めて、木工の道を選んだ僕は、本当に勇気をもらったんですよ。
そして今回も。

努力が報われなくて、ショックで立てないほどの出来事が起こることが人生にはある。
そんな時、落ち込むだけ落ち込んでもいい。人に弱さを見せてもいい。悲しくて悔しくて、泣く姿を見せてもいい。自分の気持ちに素直に、正直になって、その感情や、弱い自分と向き合って、そしてそこから上を見ていく。
自分を信じて、自分を信じてくれる人を信じて立ち上がる時、以前の自分よりも強くなっているんだということを見せてくれたような気がします。

自分の強さは、自分の弱さがしっかりと支えてくれるのだと。
強い自分はあんまり知らないけど、弱い自分はいっぱい知ってる。
強い自分に、「俺について来い」っと言われるよりも、たくさんの弱い自分に「大丈夫だよ。一緒にいるから立ち上がろう」っと言われた方が、心の底から力が湧いてくる。

りくりゅうペアーのフリーの演技は、今まで見ないようにしていた僕の中にいるたくさんの弱い僕が、無意識のうちに認めてもらえたことを喜んでいて、それが僕の心を震わせて、涙が出たのかな?っと思います。

それにしても龍一くんが最後、両手で璃来さんを持ち上げた時の仁王像のような目は、本当に素敵でカッコよくて、男惚れしてしまいました。

 

そうそう、リメハンメルで原田選手の失敗ジャンプで金メダルを取れなかった葛西選手は、長野では、団体の4名には選ばれなかった。
だからオリンピックで金メダルを取ることを目指して、今でも現役を続けています。
未だ金メダルは取れていないけど、今ではスキージャンプ界の世界的なレジェンドになってる。
これもまた、物語である。