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ずっとこの風を感じたい

9月も後半だというのに、温かい日が続いています。
北国は季節による風の吹く向きと、その風の温度がちゃんと一致するんです。
この季節、南から風が吹く日は、温かくてTシャツでも大丈夫。北から風が吹く日は上着がないと寒くていられない。

今朝のノンノ(北海道犬)と、まる(黒柴)の散歩は、温かい南風に吹かれながら。

全力で自転車を漕いでも追いつけないスピードで走り切る3歳のまるとは対照的に、ノンノはもう12歳のポッチャリおばあちゃん。

若い頃は、今のまるよりも爽快に僕を引っ張って、クイックターンで僕を翻弄していたのに、今では、「ノンノ、散歩行くよ。」とゲートを開けると、じっと3秒くらい僕と目があったまま動かない。「ん〜、なんだっけ?ああ〜、散歩ね〜。よいしょっと。」という感じ。
ちょっとの寂しさと、その何倍もの可愛さに「ノンノ〜♡」と言って抱きしめてしまう。

のっそのっそと気持ちよさそうに歩いてるノンノは、10mも歩けば、まるで休憩したいかのように立ち止まっては道端の花の香りを嗅いでいる。お陰で、もう秋も暮れかけているのに、道端にはまだ結構花が残っているんだと気づく。

かつてはミツバチを魅きつけようと、いっぱいに甘い香りを出していた花たちも、今はもう半分枯れかけて、そんな香りはしないんじゃないかな?なんて思うんだけど、でも、ノンノはそのわずかな匂いを嗅ぎ分けて、立ち止まってはクンクンやっている。
もしかしたら久しぶりの訪問客に、花のおばあちゃんは、犬のおばあちゃんを歓迎しているのかも?

温かく穏やかな南風に吹かれているノンノを見ると、2年前に書いたブログを思い出して、読み返しては、涙が出そうになる。

++++++++ 2018年7/26 のブログ 『風は見えないけれど』より  +++++++++++++

この季節、南から吹く風は、もうすぐ収穫を迎える小麦の穂を、ドミノ倒しのように向こうからこっちに向かって揺らしてきます。
風はそのままだと見えないけど、その風景を見ていると、もうすぐ風がくる。ってわかる。

まだ1歳のマルは、体力が有り余っていて、一周2キロの散歩コースを、ベロを出しながらハァハァ言いながら僕を引っぱってひたすら走り続けるのですが、10歳のノンノはのんびりと気持ちのいい風を感じながら、僕に引っぱられています。

昨年、ノンノは大きな病気になり、余命1週間と言われ、横たわっていたのですが、それでも散歩が大好きで、僕が「ノンノ、散歩行こう。」と綱を持つと、必死に立ち上がって、外に向かいます。
外で綱を離しても、歩く気力がなく、ずっとその場で立っていて、僕がちょっと離れた所から「ノンノ、おいで!」と言っても歩けない状態でした。
それでも一歩一歩、僕のところへやってこようとする。
3
月の冷たい北風に、よろっとふらつくノンノが、とても悲しかった。

余命宣告されてから、毎晩ノンノの横のソファで僕は寝ていたのですが、ちょうど一週間が経った晩、ソファの上で寝ている僕の上に、ノンノが飛び乗ってきたんです。ジャンプなんて出来るはずないのに。
病気になるまではずっと外で飼っていたので、嬉しかったんでしょうね。急に涙が出て、ノンノを抱きしめて眠りました。

それからノンノは奇跡的に復活し、無事に手術する体力が戻り、病源の子宮を取り、元気になりました。
獣医に言わました。子宮を取ると、なぜか太る。っと。
その通りで、規定の量より少ないご飯なのですが、それでも太ってしまいました。

病気になる前までは、マルに負けないくらいのスピードで、風を切って僕を引っぱっていたのだけれど、今は気持ちの良い南風に背中を押されながら、のっそのっそと歩くノンノを見て、元気になってよかった。こんな風にノンノと散歩出来てよかったよ。なんてしみじみと思うのです。
そして同時に、あと何回、あの厳しい北風を、そしてこの優しい南風をノンノと一緒に感じられるんだろうっと。

また小麦畑が揺れている。

ノンノ、ほら、風が来るよ。

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今年もノンノと、この優しい南風を感じることができたよかった。っと心から思う。

遠くの田んぼでは、稲刈りが始まっている。
そうだ!もうすぐ新米の季節だ!

2年前、小麦を揺らした風が、今日は垂れた黄金色の稲穂を揺らしている。
南風が気持ち良いのだろうか。ノンノは顔を上に向けて、クンクンやっている。

ノンノにはもう、新米の甘い香りがしているの?

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