美しい星座を象る星の一つとして | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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美しい星座を象る星の一つとして

新年、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞ、旅する木をよろしくお願いいたします。
写真は、年始に富良野に行く道中の桂沢湖です。

先日、旭川で木工仲間の集まりがあり、行ってきました。
参加者は僕が20年以上前に卒業した、旭川高等技術専門学院(技専)の頃の仲間達。
オリンパスを退職し、ここで木工を学んだんですね。28歳の時です。
カメラの開発部門にいたオリンパス時代、休み返上&夜の10時に
カップラーメンを食べて、もう一踏ん張り!というのが当たり前の生活をしていた僕は、
技専に入ると、土日休み、授業は午後4時で終わり。という生活に、耐えられなかったんですね。
他の大部分の生徒は、高卒18歳なのに対し、僕は28歳。スタートで10年の遅れ、
しかも結婚していて、オリンパスという上場一部企業を捨ててこの世界に入った僕の
やる気といか、気持ちは、殺気じみてるわけで(笑)。
一分一秒も早く、一人前になりたい!っと。担任の先生に、
「放課後、何か作らせてください!」
「夏休みとか、僕はいらないので、学校を解放して、機械を使わせてください!」
「コンペに出品したいので、時間外で作らせてください!」
などなど先生にお願いするものの、許可しない先生に喰ってかかって、
困らせてばかりいる超問題児でした。
今ではその先生とも飲む度に、笑って当時のお詫びをしています。

僕が技専の2期生で、あれから22年経過、一学年20人なので、ざっくり計算で
400名を越える人が、木工に足を突っ込んだのですが、
今現在も木工を続けている人は…?
そうですね~。50人もいないんじゃないかな?
技術を身につけるのに、努力、忍耐、根性、地道…などなど、
時代にそぐわない精神力を必要な割に、低賃金で大抵の若者は、
志し半ばで違う道へと去って行く職業なんです。

そんな中で僕は、いろんな思い、いろんな紆余曲折があって、望んだわけでは
ないのですが、独立する(せざるを得ない?)ことになったんですね。
大きな借金をして、少ない利益でやり続けるには、“どうにかなる!”という楽観的心と、
“どうにでもしてくれ!”という捨て身な気持ち、そして、押しつぶされそうな
大きな不安からは、とことん目を背け、知らんぷりをする鈍感力でやってきました。

技専の先輩、後輩で、僕の前に独立しにした人は誰もいなかったんですね。
なので、僕は独立する際や、独立して難題にぶち当たった時、相談できる人や、
目指す人は誰もいなかったんです。
お金のこと、経営のこと、仕事を取るということを何も知らない僕は、
いろんな詐欺にも引っかかりましたね~。のどから手が出るほど仕事が欲しいわけですから、
同じ手法の詐欺に2度も引っかかったり(笑)。
今思うと、同じ人だったんでしょうね。100万円くらいは無駄にしたかな。

当時を振り返ると、全く先が見えない、真っ暗闇の中、どこに進んでいるかもわからずに、
ただ闇雲に走っていた感じがします。

ただ、いつも心に秘めていた思いは?
“後に続く人の、一点の光になりたい!”
この思いはいつも持っていました。

何年後かに、技専の卒業生で独立を志す人には、なに惜しげなく、
経験したことを話してきました。僕と同じように、無駄なお金を使って欲しくなかったし、
せっかく志しを持って、覚悟を決めたわけなのだから、上手くいって欲しいと思ったので。

先日の集まりに参加した中にはなん人か、そんな仲間がいて、
今では旅する木よりもずっと大きい会社を経営している人もいるのですが、
そんな彼らが、「須田さんが頑張ってやっている姿に、僕らは励まされたし、
俺たちもできるんじゃないか!って勇気づけられました。」と話してくれました。

嬉しかったですね~。

彼らと話しをしてると、やっぱり不安を抱えています。
AIが騒がれている今、木工にも機械化の大きな波が押し寄せており、
その波に、大きな投資をして乗るか、はたまた別の道を模索するか。
いずれにしても変化をしていかねばならぬ状況にいる僕らには、
どうしても不安がつきまとうもの。

一方で、みんながある同じ思いを持っていることも、また可笑しい。
自分たちは、なにか大きな偉大な力に守られている。っと。

多種多様な職種の中から、習得するのに時間と労力がかかり、技術を習得したからといって、
すごく儲かるわけでもない木工という仕事を選ぶ人というのは、基本的に
お金よりも、自分の作ったもので、喜ぶお客様の笑顔であったり、
自分の自己表現であったり、木に触れていることが喜びであったりと、
お金じゃないところに価値感の主軸を置いている人なわけで。
そんな人は、真面目で正直で、愚直なまでにまっすぐな人なんですね。
それを自負している。
だから、自分たちは守られている。いや、守られているはずだ。

ひょっとしたら、神様は「そんなこと、知ったこっちゃない。」のかも知れないけど、
僕たち木工家はみんな、そんな祈りにも近い確信を持っている。
こんな怪しい考えは、僕だけかな?なんて思っていたのですが、
みんな一斉に「俺もですよ。」なんて言うもんだから、こりゃ、神様も大変だ(笑)。
なんて可笑しくなってしまいました。

今年、旅する木を創業してから15年目を迎えます。
独立している、していないにとか関係なく、信念を持って、自分らしい木工をやっている
希望の光がたくさん芽生えて、それぞれが美しい光を放っています。

夢追い人が道に迷って不安な夜、ふと見上げれば、ささやかに光る星たちが、
美しい星座になって、進むべき方向を指し示す。
そんな美しい星座を象る星の一つとして、旅する木もあり続けたいと思います。

2020年もどうぞ、旅する木を応援してください。よろしくお願いいたします。

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