”ちむどんどん”してますか? | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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”ちむどんどん”してますか?

4月から新人が二人入り、再び彼らとの工房での共同生活が始まりました。
旅する木の新人は2年間、工房に住み込みで一緒に暮らします。
”再び”というのは、今や先輩としてカッコよく仕事をしているくどけんも、2年前まで工房で暮らしていたので。

18歳のテル(左)、20歳のユウヤ(右)と言います。


どうぞよろしくお願い致します。

 


ちなみに、私、須田修司 ↑↑↑

も、どうぞよろしくお願い致します(笑)。

あ、この写真?
先日久しぶりに長野の実家に帰った時に撮ったものです。

んなわけねーだろ!って?
すみません。
先日実家に帰った時、懐かしいアルバムを見つけまして、アルバムの中の写真を撮りました。

 

52歳の僕が、18や二十歳の若者と一緒に生活するのは色々と大変なこともあるのですが、共に食事を作って、共に食べて、いろんな体験を共有する日々の生活の中で、良いことは見本にして、悪いことは反面教師として、真っ当な家具職人になるためのいろんなこが学べるのではないかと思っています。

丁稚奉公というと、辛い、苦しい、厳しい…というイメージですが、仕事はもちろんのこと、山菜採りに行ったり、畑作業をしたり、多分、楽しくやっていると思っています(勝手な想像?)。

 

毎朝6時30分から朝食を作って食べます。
洗い物をした後、工房の掃除をします。
8時30分に体育館(工房は廃校の校舎)に集まって仕事をするのですが、僕はその直前、安らぎのひと時が。

8時から、NHKの連続テレビ小説を見ること。
今は『ちむどんどん』

歳をとって自覚せざるをえないことは色々あるのですが、その一つ。
俺、ずいぶん涙もろくなったなあ。っと。
さすがに毎回ではないけれど、高校生ののぶこの純粋で真っ直ぐな思い、お姉ちゃん、よしこのひたむきさ、妹、歌子のか弱さの中に秘めた強い思いに、ウルっと来ています。
涙目がバレないように顔を整えてから作業場に向かいます(笑)。

 

そうそう、今回のブログ、工房での生活や新人のことを紹介したいわけじゃなくて、『ちむどんどん』のことについて書こう!と思って書き始めたんだった。

活発で負けん気の強いのぶこは、高校卒業が間近に迫って、就職を考える時期なのですが、やりたいことが見つからず、悶々としているんですね。

そんな時、男子に駆けっこの競争を挑まれる。
子供の頃から何度やっても負けたことがなかったのに、とうとう負けてしまう。

いつの間にか体力で男子に勝てなくなり、いつの間にか周りの友達は将来を決めて歩き始めていて、いつの間にか自分だけ取り残された感じで焦ってしまう。

優しいお母さんに胸の内を打ち明けます。

「夢中になれる、一生懸命になれる、打ち込めるものをずっと探している。それが全然わからない。」

別に泣けるシーンでもないのに、グッと来て、涙が出てしまいました。

僕もそうだったなぁ。
自分が何をしたいのかが全然わからなくて、迷子になっていた学生時代、ただただ自分探しをしに、暇さえあればフェリーや、鈍行列車に乗って北海道を旅していました。

なんとなく条件だけで入ったオリンパスで、一生懸命仕事はしていたけれど、心が満たされることはなく、上司に、「○○さんは、今の仕事に燃えてますか?僕は腹の底の方にあるほと走る熱いものをぶつけるものが見当たらなくて。この抑えても溢れてくる情熱をどうしたらいいですか?」なんて文句でもなく、相談でもなく、ただバカ正直に気持ちを訴えていたものです。
今考えると、上司も新入社員にそんなこと言われて、困っただろうなあ。と思います(笑)。
「だったらここ(オリンパス)に来るなよ。そんなこと就職前に考えておけ!」って感じですよね…。
そんなことも言わず、聞いてくれた、厳しくも優しい上司でした。

それからというもの、条件だとか、収入だとか、安定だとか、そういうものより、自分の中の情熱がどこに行きたがっているのか?ということを優先させてきたような気がします。

 

料理部の友達に助っ人として呼ばれた大会で、のぶこが創作した料理が優勝します。
自分の作った料理を、お客さんが喜んで食べている姿を見たのぶこは、東京に出て、レストランで働いて、将来はコックになりたい!と心が決まります。
家が貧しく、母親が朝早くから夜遅くまで働いているので、のぶこが毎日ご飯を作っていたんですね。

人生、何が功を奏すが判らないものです。

一見無駄に思える僕の大学時代の北海道放浪の一人旅があって、今僕は北海道に住んでいる。
家具職人としては全く関係のないと思えるオリンパスでの5年間。
3ミクロンの誤差も許されないカメラのレンズ駆動の制御を担当していたお陰で、いまだに1ミリのズレは、僕にとっては1メートルくらいのズレに感じる。だから0.1ミリの誤差も機械の定規にマスキングテープを貼って、ピッタリまで合わせこみます。

結局全てが意味があって繋がっている。

神様はなかなかに意地悪なもので。
今この瞬間の出来事や経験の意味を、その時は教えてくれない。
その意味が腑に落ちたり、その経験が本来の意味を持つようになるのは、何年か経った後だったり、全く関係のないことに挑戦している時だったりする。

 

旅する木の新人、テルとユウヤ。
18や20歳でやりたいことを決めて、丁稚奉公で旅する木で働きたい。と来る時点で、すでに当時の僕よりすごいと思います。

二人がいつも僕に
「もったいない。という感覚を持て!」
だの、
「もっと丁寧に扱え!」
だの、
「挨拶の声が聞こえない!」
たの、
「靴を揃えろ!」
だの、
「トイレ掃除は素手でやれ!」
だの、
一見家具作りには関係のない小言を言われているここでの暮らしが、彼らの心の中で静かに根付いていって、ある日 いつの間にか発芽した小さな芽を見て感動するように、彼らの人生の中で、本当の意味を持つ日が来て、ああ、あの2年間があってよかった。と思ってもらえたら…

僕の心は「ちむどんどん」

沖縄の方、使い方、合ってますか〜?(笑)