文豪宣言? | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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文豪宣言?

”ウィズコロナ”、”アフターコロナ”、”ニューノーマル”などという言葉が世間を飛び交っていますね。

もう、以前の暮らしに戻ることはないのでしょうね。ソーシャルディスタンスが基本スタンスに社会活動が再開され始めている今、その様子は以前とは違うものですもんね。

といっても、旅する木の仕事、生活スタイルは、ほとんど変わりません。もともと人口密度、0.013人/m3くらいですので(笑)。

毎朝のノンノ(北海道犬)とまる(黒柴)の散歩をしていても、出会うものといったら、田植えが終わったばかりのか弱い稲、まだ青々しい小麦、その稲や小麦を揺らしている風、頭上を忙しくピヨピヨ鳴きながら羽をパタパタしている小鳥たち、その遥か上空を、悠々と翼を広げているトンビ、そして青空、その青空のキャンパスに筆でスーって描いたような流れる雲くらいなものなのですから、ソーシャルディスタンスどころではなく、ソーーーーーーーーーーーーーーーーーシャルディスタンスです(笑)。

都会に住んでいて、モヤモヤしているみなさん、思い切って田舎暮らしをしませんか?
寂しくないかって?
寂しいもんですか!
夜は、星がいっぱいですもの。
それが逆に寂しいって?
移ろいゆく四季を体いっぱい感じながら、寂しい時にはその寂しさに溺れてみると、楽しい時には楽しさが何倍にもなるなるものです。

そんな僕の暮らしでも、影響を受けて困っていることがあるんです。

僕がこの人生で表現したいものの中で、もちろん旅する木の活動はとても重要なものなのですが、それと同じくらいに演劇での表現も大事なんですね。

2015年、旅木演劇工房を娘と立ち上げて、2018年まで活動をし、2019年は娘が自身の演技の幅をもっと広げたいということで、休止していましたが、2020年の9月にまた、新作を発表するつもりで、昨年の年末に新しく脚本を描いたのです。
まだコロナが騒がれる前だったのですが、原住民に伝わる神話をテーマにした、これから僕たち人間が向かうべき方向性を考える内容のものでした。本当は、この今の時代にこそ、見てもらいたい内容なのですが、役者20名ほどを要する作品だったので、稽古でも舞台でも、ソーシャルディスタンスを保つことが難しく、観客動員数も制限されるので採算が合わず、娘と相談して断念しました。

こういう時代、経済活動は優先され、文化活動、芸術活動は二の次、三の次にされがちなのですが、本当はこういう時にこそ、心に遊びとゆとりを持って、難局を乗り越えることが大事なんだと思います。
そんな中、札幌市は文化的な意識が高く、文化活動を支援する助成金が発表されました。一定の条件を満たす文化活動、芸術活動をしている個人、団体を審査して、50の団体に無観客公演を動画配信するための補助をすると。

こういう補助はとても励みになります。もちろん、一定の条件の中には、ソーシャルディスタンスも含まれます。公演しようとしていた脚本は大人数が必要なので無理なのです。なので、急遽、新しい脚本を書くことになりました。6月中に完成させなきゃ間に合わない!

実はネタは考えていたことがあるんですね。初めて実話をもとに脚色をつけて、ストーリーを組み立てようと思っています。
海が舞台の内容なのですが、それを決めてから不思議なことに、納品で海岸沿いの町に行く機会が二度もありまして。
朝、漁港の防波堤を歩いていたり、夕方、テトラポットに座って夕陽を眺めていたり、夜、美しい満月の光が海面に写って、真っ直ぐに向かってくる月の道に心奪われたりしながら、今のこの時期に公演する意味のある作品のイメージが出来上がりつつあります。
まあ、イメージを物語に組み立てて、それにセリフを付けていく作業はなかなか大変なのですが、楽しい作業でもあります。

旅する木のスタッフの花輪くん、くどけん、太河は、僕のこういう表現にも理解をしてくれるどころか、楽しみにしていてくれて、僕がこれに時間を割くことを快く許してくれます。本当にありがたいと思います。面と向かっては恥ずかしいので、この場を借りてお礼を言います。ありがとう。
ということで、それに甘えて、6月中はどこか海沿いの高級旅館の海側の部屋をとって、心ゆくまで、執筆活動に専念するかな(笑)?って、どこの文豪か!

高級旅館云々は別として、ウィズコロナ、アフターコロナの時代、自分らしく、自分だけのライフスタイルで、自分の心に素直に正直に、人生を楽しむ人が増えるのではないかと思います。
このコロナの騒動を、そんなふうに前向きにとらえたい。