人生の11時台 | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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人生の11時台

『僕たちにはいつも二つの選択肢がある。』

 

すみません。いきなり変な顔の写真をお見せして…

このブログ、病院のベッドの上で書いています。
実は僕、今入院しています。
先週からずっと。いつまでですかね〜?

作業中、脚立から落ちまして…。
鉄の機械の角に顎を強打して、顎の骨を骨折してしまいました。
両手が塞がっていたので、顔からいったんですね〜(涙)。

不思議と、その瞬間はそんなに痛くないんですよね。
ただ、顎に受けた衝撃のすざましさで、床に崩れ落ちていく最中に、
「これは尋常じゃないことが起こったんだろうな。」
ということだけは理解していました。

1週間前に手術をして、今、上顎と下顎に小さなボルトを埋め込んで、ワイヤーで固定しています。
なので、喋れないし、食べれない。
鼻から胃までチューブを入れて、直接胃に栄養を入れてるという状態なんですね。
この状態で1週間はキツい…(涙)。。

思ったより大きな怪我なので、やっぱり直後は後悔しましたね〜。
ああ、あの時…、ん〜、あの時…。。
時間、戻らないかな?
なんてね。

でも、時間は戻るわけないんですよね。
起こってしまったことを、無かったことにすることはできないんですよね。

 

 

もう何年も前になりますが、キングコングの西野さんの、近畿大学の卒業式でのスピーチをYouTubeで見た時に、心に刺さったシーンがありまして。

「人生に失敗はない。」

とか、

「人生に挑戦してください。」

とか、意味深い話をするのですが、僕が一番心に刺さったのは、その部分の話ではなく、冒頭の部分。
自分の登場をやり直しするところなんですね。

 

最初、西野さんが登場した時、会場はパラパラな拍手だったんですね。
そこで西野さんが言います。

「このままパラパラの拍手で僕を迎え入れるのか、盛り上がって今日を終えるのか。僕はどっちだっていい。皆さんの近畿大学の卒業式を、シレーっと終えても、僕は何の問題もない。だけど言っておく。皆さんには二つの選択肢がある。もう一度登場からやり直しましょう。」

そうしてやり直しの登場は、総立ち、キャーキャー、ピーピーと盛り上がってスピーチが始まるわけです。

きっと彼らの卒業式は、
「楽しかった!」
と言う印象が残ったんだと思います。

 

この動画に影響されて、スタッフの若者たちにたまに言うことがあります。

『僕たちにはいつも、何をするにも、常に二つの選択肢があって、それは自分で選ぶことができる。
行為は選べなくても、気持ちは選べる。』

『それを楽しんでやる』のか、そうでないのか?

木工の仕事は、完成した作品を見ると、
「凄いなあ。」
「素敵だなあ。」
っと思われるのですが、その過程は、地味な作業ばかりなんですよね。
たくさんあるパーツの、ペーパーでの仕上げとかは特に。

僕はいつも、それをゲームにしてしまう。
さっきは5分20秒で終わったから、次は5分10秒で仕上げよう!
とか、
10個仕上げるのに何十分だったから、全部だったら、何時何分に終わるな。
とか。
そしてその作業を頭の中で解説しながらやったりする。

そのゲームの途中に電話がかかってきたりすると、
「お〜っと、これは痛いタイムロスだ〜。しかもくだらない営業の電話だった〜。さて須田修司、どうやって挽回しますかね〜?見ものですね〜。お〜っと、須田修司、新しいペーパーに変えたぞ〜。まだ使えるのに。これは裏技、姑息な手段に出ましたね〜。スタッフにはいつも無駄遣いするな。と言っているのに、自分はいいのか〜?社長の特権だ〜。」
なんて感じに(笑)。

 

さっき思い出して久しぶりに、YouTubeで西野さんの動画を見ました。

何年か前に見た時は、
「常にこの瞬間を楽しむ選択をしていこう!」
と思ったのですが、今、この状況で見ている僕は、ちょっと違う。

 

この怪我をなかったことにはできない。
時間は戻らないし、骨は元に戻らないのだから。

でも、起こってしまったことを、よかった出来事にすることはできる。

『今の僕には二つの選択肢がある。』

この出来事を、惨めで後悔する出来事にするのか。
僕の人生にとって、大きな飛躍のきっかけになる出来事にするのか。

そう考えると、なんかワクワクしてくる。大きなチャンスをもらったような気がしてくる。

それは、今のこの時間の過ごし方であったり、気持ちの持ち方であったり、この出来事の深い部分の意味を探求したりすることなんだろうな。と思っています。

如何せん、思いがけず、時間は山のようにあるので、朝から晩まで、本を読んだり、映画を見たりしています。
すると、僕を励ます言葉たちを見つけて嬉しくなる。

顔にできた傷は、これからの僕の人生で、鏡を見ればいつでもそのことを思い出させてくれる。

 

西野さんの動画もその一つ。
スピーチを締めくくる最後の言葉。
前回見た時は、上手いこと言うな。って言う程度だったけど、今は心に響きました。

 

今、人生の11時台ですかね?僕は。

でも大丈夫。

もうすぐ鐘が鳴る。