感謝、感謝の 旅もく感謝祭でした | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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感謝、感謝の 旅もく感謝祭でした

ワクワク旅もく感謝祭の次の日の工房。
まさに、祭りの後の静けさ
あれは夢だったのだろうか?と思うほど、感謝の思いが心から溢れ出す。
満たされた心があまりに心地よくて、寒いけど、しばらくぼーっと座っていました。

 

5年ぶりに開催した旅もく祭り。
なんと、子ども達を含めると、300名を超える人が遊びに来てくれました。

実を言いますと…
コロナ前まで、毎年11月開催していた旅もく祭りを、5年ぶりに今年、開催したいな。と春くらいから思っていたんです。
でも、いざ11月が近づくと、
もう旅する木のこと、みんな忘れてるんじゃないかな?
寒いし、人、来ないんじゃないかな?
来年、20周年だから、来年盛大にやって、今年はやらなくていいんじゃないかな?忙しいし。
なんて、ちょっと弱気になって、見送ろうと思っていたんです。

ところが、11月に、室内のキッチンや収納家具の全てをやることになっていた、旅する木にとってはとても大きな仕事が、直前に保留になってしまったんです。
建築費があまりに嵩んでしまったようで、予算の見直しをすることになったようで。

それで、11月にポッカリやること無くなってしまったんです。
スタッフに「どうする?」と相談すると、くどけんが「久しぶりに旅もく祭り、やりましょう!」っと提案してくれました。
弱気になっていた僕は、「急だから、あまり告知もできないし、人、来ないんじゃない?」っと言ったのですが、自称ネガティブシンキングのはずのくどけんが、なぜかめずらしく、「いや、絶対人来ますよ。最低100人は来ると思います!」っと。

その言葉に背中を押されて、
「じゃあやるか。5年ぶりだから、5年分の感謝の気持ちを込めて、『旅もく感謝祭』にしよう。やるからには、徹底的にやろう。10人しか来なくても、その10人を心から喜んでもらって、あ〜、楽しい1日だった!って満足して帰ってもらうように、感謝の気持ちが溢れて伝わるように、企画、準備をしよう。11月は一切仕事をしない!旅もく感謝祭に全集中で行こう!」っと、開催を決めたんですね。

 

来場者にプレゼントするスマホスタンド、製作を担当したゆうや
「どういうデザインにしましょうか?」
「旅する木らしく、何種類かの樹種を組み合わせよう」
「ウッヒョ〜♪」

ゆうやはこういう手の込んだ可愛い作品を作るの、好きだし、上手いんです。

「何個作りますか?100個くらいですか?」
「200個作ろう!」
「ウッヒョ〜♪」

新人のみづきにも、助けられました。
イラストレーターが得意なので、チラシ、ハガキ、その他ペーパーものをデザインして、パッパと作ってくれました。

販売するクラフト作品のほとんどは、ベテランの花輪くんが考えた作品

ワークショップはそれぞれ担当を決めて、デザイン、試作、製作を進めました。


↑ ゆうやとみずきが担当のモビール


↑ 万年カレンダーはくどけん


クリスマスツリーは僕が担当

「とにかく感謝価格にするから、あまり手の込んだものにしないように!それでいて魅力的なものを」
という指示だったのですが、モノづくりが大好きな人たちに、自由にやらせたら…
それは手の込んだものになってしまうわけで(笑)。。
僕も含めて、採算度外視でワークショップの作品の準備をしました。

 

旅する木の家具作り、他の家具屋さんと決定的に違うところは?っと問われたら。
「無垢の天板を手カンナで仕上げています」
じゃあ、鉋体験をしてもらおう。
自分が鉋で削った木のツルツルを触ったら、それは感動するよね。っと、手鉋体験コーナーも作りました。


鉋体験は知り合いの二人の大工さんが来てくれることになって、担当してくれました。
建樹(たつき)と有ノ木(ありのき)という、名前がすでに大工になるべくして名付けられたような彼ら。
なんと、北海道中の鉋を使える大工、家具職人の中で、彼らが一番、二番というツートップ!

 

こんな風に、毎日毎日着々と準備を進めてくるとですね、不思議なことに、人が来るとか来ないとか、なんか気にしなくなってくるのです。
とにかく来てくれたお客様に喜んでもらうために、今、目の前のやれることを徹底的にやる。ただそれだけっという気持ち。

 

そうして当日を迎えたのです。

が…

天気予報を見て予想はしていたものの、朝起きたら、風景は一面真っ白。


北海道の冬のイベントの集客は、雪に左右されるので、どうかな?と思ったのですが、もうこれはどうしようもないですからね。
もういいや。吹雪じゃないだけマシ!っと切り替えていつものように、犬の散歩をして、コーヒーを淹れて、のんびり本を読んで時間を待ちました。

開始時間が近づくに連れて、何名かのお客様が来てくれて、僕は挨拶をしていると、ショールームを担当していたくどけんが
「須田さん、ショールームに来てください。女性の方が泣いてます」っと。
「泣いてる???」
急いでショールームに行くと、本当に泣いてる女性が。
話を聞くと、
「ずっと来たかったんです。いつもHP見ていて。イベントなので来やすいと思って来ました。来たらなんだか感極まってしまって」っと。
「こんなハゲですみません」と謝って、少しお話をしました。

するとショールームに懐かしい年配の家具職人のOさんが来てくれました。
創業してすぐの頃、僕に色々と教えてくださった方。
19年前、Oさんが掛けてくれた言葉は今でも頭の片隅に残っています。

「須田君、俺は本当は須田君みたいに、工房を構えて、無垢の木で自分の作品を作る仕事をしたかったんだ。でも、目先の金欲しさに、金回りのいい店舗什器の道を選んだ。その道で誰にも負けないように、一生懸命やってきた。お陰で仕事は山ほどある。金もまあまあ稼いでる。須田君、本当に仕事に困ったら、仕事はいくらでもやる。でも、できるだけ店舗には手を出すな。手が荒れる。苦しくても頑張って、今、自分がやろうと思っている家具作りを続けてほしい。それでも仕事がなくてどうしよもなくなったら、俺のところに来い」

職人の言う『手が荒れる」というのは、「仕事が雑になる」という意味です。
店舗什器はスピード重視、3年保てばいいっというものづくりなので。
この言葉に何度自分を奮い立たせただろう。
一度もOさんから仕事をもらうことはありませんでした。

10年ぶりに会うOさんに
「お元気ですか?」
と尋ねると、
「もう後、半年だ」
「…」
「しみったれててもしょうがない。残された時間を楽しく生きるさ。案内をくれてありがとう。もう重たい木は持てないから、今、切り絵をやってるんだ。ほら、見てくれよ」
と言って、スマホを取り出して、切り絵の作品を見せてくれました。
素人とは思えない細かな、素晴らしい作品でした。

今日、Oさんに会えただけで、旅もく祭りをやって良かった。と思いました。
ちょっと涙が出そうになっているのを堪えて、会場の体育館に戻ると、そこはなんと、


このよう状態で、ビックリしてしまいました。

それからはもう、夢のような時間でした。
準備したワークショップを、楽しそうに、真剣に、夢中になって作っている人たち。


鉋体験で、薄い鉋クズが出て、喜んでいる人たち
旅もくクイズで優勝して、大喜びしている子供
ちなみに旅もくクイズ優勝者には

このスツールがプレゼントされました!

最後は旅もく祭り恒例のお餅つき大会♪

参加してくださった皆さんが、とても楽しそうに、自由に寛いでくれていて、嬉しかったです。

こんなにたくさんの方が来てくれることを予想してなかったので、いろいろと至らない点などありましたが、皆さん、
「楽しかった〜」
「来年もまた来ます!」
「ありがとうございます」
と、嬉しい言葉を掛けて帰って行ってくれました。

それがなにより嬉しくて。
急だったけど開催を決めて、そして精一杯準備をして、本当に良かったなぁっと思いました。

 

この旅もく感謝祭の開催中、クイズを出したり、鉋の説明をしたりと、皆さんの前でマイクを持って話す機会がありました。


元々僕は恥ずかしがり屋で、人前で話をすることが苦手で、考えていてた挨拶も、いざ本番では発揮出来ず、いつも後悔するのですが、なんか旅もく祭りの間中ずっと、なにかに包まれているような、不思議な安心感の中にいました。
言葉にするなら、感謝の渦のシャボン玉の中に、自分がふわふわ浮かんでいるような。ここにいるけど、ここにいないような。そんな不思議な感覚の中に。

 

後片付けが終わって、スタッフと別れて、歩きながら家に向かう帰り道、空を見上げながら
「夢のようだぁ」
と呟いてしまいました。

何人かの方に言われました。
「旅する木のお客さんって、みんな素敵な人ばっかり。みんなから愛を感じました」っと。
本当だなぁっと思います。

なんか、最後の締めくくり。
ただ「来てくれた方々、本当にありがとうございました」
では全然もの足りない。

IMG_5855.jpg

お祭り当日、僕が着ていた旅木トレーナーの背中の言葉。
そして当日、工房の入り口に立てたのぼりの言葉。
そして僕がいつも思っている言葉。

『技は何のためにある?』

今の僕が思う答えは、
『人を幸せにするためにある』

そして、旅する木もそうありたいと思っている。
『旅する木は何のためにある?』
『人を幸せにするためにある』

 

旅もく感謝祭をやろう!と決めた時、来てくれたお客様を精一杯幸せにしよう!っと思った僕ですが、終わってみたら、僕が一番幸せにしてもらいました。
だからかけられる言葉があるとしたら、ただただ
「ありがとう」

 

そして、今回の旅もく感謝祭のお手伝いをしてくださった、鈴木さん、拓郎くん、のぞみさん、明日希さん、信さん、建樹、有ノ木君、ありがとうございました。
本当に助かりましたし、協力がなければ、このように楽しく終わることはできませんでした。

 

旅する木は来年、20周年を迎えます。
来年のこの時期、また『旅もく感謝祭20周年』を行います。
またぜひ、旅する木に遊びに来てください。
もっともっと、楽しんでもらえる企画、準備をします!

って、ヤバい!
来年は10月くらいから準備のため、仕事が入らなくなるかも(笑)。。

 

あ、心配してくださっている方もいるかも知れないので、一応、ご報告を。
11月に保留になっていた仕事、ありがたいことに、やらせてもらえることになりました。
しかも最初よりも規模が大きくなって!

 

おまけ

今回の一番人気のノンノ(北海道犬 17歳のおばあちゃん)
みんなに可愛がられて嬉しすぎて、何回お漏らししただろう(笑)



来年も待ってるよ〜♫