『待つ呼吸壱の型』を極める! | 札幌のオーダー家具・オーダーキッチンなら家具工房【旅する木】

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『待つ呼吸壱の型』を極める!

一昨日、娘と息子がやっているお餅やさん、『風鈴ちりり』のすぐ横に、ちりりで使うために作った木の器などを販売する旅する木のショップがオープンしました!

無機質な元校長室をこんな風に素敵な空間に改装しました ↓↓↓

元はこんな感じ ↓↓↓

生まれ変わりました!

ショップで販売している木の器たち ↓↓↓

ちなみに、ちりりの店舗は元職員室です ↓↓↓

平成20年3月の閉校時のスケジュールをそのまま残しています ↓↓↓

これを書いた当時の先生が来て、残してくれていることが嬉しかったようで、泣いてました。

 

旅する木は、オーダーでキッチンの製作をしているので、木のキッチンに付随して、木の器とか、キッチン小物も販売していきたい!っと、ずっと思っていたんですよね。
でも、日々の忙しさや、どうしてもやらなきゃ困ることではないので、ついつい億劫うになって、いつか、いつかっと先延ばしになっていました。

娘たちがちりりをオープンするにあたり、「木の器を作って欲しい」っと注文をもらい、ようやく重い腰を上げて製作に取り掛かりました。

木の器は、CNCというコンピューター制御の機械を使って、ある程度の形まで製作します。(最後は手作業で形を整える)
美しい曲線を出すプログラムを作るのは難しいし、いつも使っている木工機械は、加工する際に伝わってくる手の感覚、切削時の音、切削面の肌触りなどで、自分でいろいろ微調整をしながら加工するのですが、CNCはコンピューター制御なので、例え加工途中で異変があったとしても、そのまま加工が進んでしまうんです。
なので、CNCは、通常の木工機械とは違う技術とセンスが必要になります。

木の車椅子の製作で、寸分の狂いもない正円の加工が必要で、人の手では無理なので、CNCの購入を決断しました。
当初CNCは、車椅子を製作している僕が担当だったのですが、僕はいろいろとやることがあって、あまり作業ができないため、今いるスタッフの中で、比較的コンピューターに強そうな、4年目のゆうやを担当にしました。

これがハマりました。
僕が「こんな風なお皿を作って欲しい」っと言うと、いろいろと工夫を凝らして、ほぼイメージ通りの試作品が出来上がってきます。
僕が指示したものの他、自分でデザインしたお皿を時間外で試作したりして、CNCの加工、お皿の製作を楽しんでいるようです。

後、ゆうやは写真がめちゃくちゃ上手い!同じ家具を同じ場所で撮影しているのに、なんでこうも違うかな?っと思うことがしばしば。
上の器の写真はゆうやが撮ったもの。

ゆうや ↓↓↓

 

今や旅する木の家具の製作の中心的役割を担う、7年目のくどけんは、全員の仕事のスケジュールを組み立てて、材料や金物の発注もしています。
難しい加工や、今ある機械のマニュアル通りの使い方では出来ないような加工を考えるのが得意で、僕が「これ、どうやってやったらいいんだろう?」なんて悩んでいると、いろいろと良いアイデアを出してきてくれます。

優しすぎて「くどけんさんっていい人」で終わってしまうので、オシャレなのにモテない(笑)

くどけん ↓↓↓

 

ベテランの花輪くんは、言うまでもなく、難易度の高い家具を担当。
花輪くんは4人の子供を育てる主夫なので、不規則な勤務体制。
いついつまでにこの家具が完成してくれていればいいから。っという感じで、タイムスケジュールは本人に任せています。
僕はあまり作業場にはいないので、若者たちが迷った時は、花輪くんに聞けば間違いない!という存在です。

花輪くん ↓↓↓

旅する木スタッフ紹介の締めを飾るのは、2年目の美月。
明るい性格で、美月が旅する木に来てくれたことで、職場が笑い声でうるさくなりました(笑)。。
旅する木のチラシとか、ポスターとか、動画編集(あまり進んでいませんが…)などなど、旅する木のブランド作りに貢献してくれています。

ショップのレイアウト、壁に飾る棚のアイデア、ちりりの小上がりと床の両方にまたがるテーブルなどは美月が考えたもの。
時々、お?!っとビックリするようなナイスアイデアを出してきます。
すぐに調整に乗るところがあるので、これ以上は褒めないようにします(笑)。

美月 ↓↓↓

 

こんな風に、別に意図して採用したわけではなく、たまたまスタッフが欲しいなっと思ったタイミングで現れて、来るもの拒まずで採用した人たちなのですが、数年経って、本人の性格、能力にピタッとハマるポジションに落ち着いて、それぞれ旅する木にはなくてはならない、唯一無二の存在になってくれています。

 

木の器やキッチン小物を製作、販売していきたい。っという思いが、自然の流れの中でやることになり、2ヶ月前には思ってもいなかったショップをオープンすることになり、それを実現するための人材がいつの間にか育っていて、そして僕は、経営者らしいことは何もしていない。
相変わらず成り行き任せの行き当たりバッタリで、「お〜!なんかすごいの出来ちゃったじゃん」っという感じ。

先日行われた当別の『未来フェス』、札幌で行われた『NoMaps』などで、いろんな経営者の話を聞くと、
「なるほど、これが優秀な経営者の思考なんだな」と、至らない自分を思い知らされます。

旅する木は今年、20周年を迎えます。
11月23日に恒例の旅木祭りを行うことにしました。(今日決定しました)

去年の旅木祭り。なんと!300人以上も来てくれました。ありがとうございます!

木工体験で素敵な作品作り

鉋引き体験。意外と女子に人気!

旅木祭りでは恒例、好評のお餅つき!子供たちが頑張って挑戦!

今年は20周年記念として、参加してくれる方が昨年よりも喜んでもらえるように準備をしようと、今から計画しています。楽しみにしていてください。

 

話が逸れました(笑)
10年生き残る会社は1割といいます。
20年行き残る会社はさらにその半分なんだそう。
最近思うんです。
経営者らしいことを何もしていないのに、まがいなりにも旅する木を20年やってこれた僕に、唯一、人よりちょっとだけ優れているところがあるとしたらそれは…
『待てる』
そう。僕は待てるんです。

仕事は、卸も下請けも営業もせずに、偶然お客様が旅する木に出会ってくれるのを待つ。
仕事が無い時もそれは同じで、ただひたすら待つ。
良い人材来ないかな?っと思っても、募集をせずに待つ。

旅する木の創業時から一貫して思っていることは
『出会うべき人、出会うべき仕事とは、出会おうとしなくても、出会ってしまうはず。』

多分、他の人だったら不安で何か動かなければ、動いていなければ心が潰れてしまうような状況でも、僕は動かずに待てるんです。
『待つ』しか出来ない。だから、『待つ』の質を上げていく。そうすると『待てる』に行き着く。

お、なんか奥深そうな表現になりました…(笑)
鬼滅の刃の善逸が、『雷の呼吸壱の型』しか使えないけど、一つの技を極めていったら、器用な兄弟子よりも強くなっていた。っという感じ?

『待てる』をさらに極めていくと、きっとそのうち、『待ってる感覚すらない』に行き着くのかな?っと思っています。

鬼滅の刃で言えば…
鬼滅で例えなくていいって?
すみません。この前映画を見たばかりなので、つい…。。
炭治郎が無我の境地に達したことで、相手の闘気を読んで戦う猗窩座の技が通用しなくなってしまったように。

『待ってる感覚すらない』中で『待つ』
なんか凄そう!
早くその域に行きたいものです。

 

ちなみに今、僕が待っているのは…
僕の今の夢は『旅する木の家』をやっていきたい!
家具やキッチン、洗面所、建具、フローリングなど、内装の全ての施工をする準備は出来ている。
どんな家と暮らしを作っていきたいかのイメージはある。
やる気の塊のような情熱のある若い大工もいる。
後は設計士。
旅する木と一緒に、暮らしを豊かにする家作りをしたいという設計士との出会いを待っているところです。できれば、30〜40代の女性の設計士がいいのかな?なんて思っています。
同じ思い、志を持った設計士、大工、家具職人が協力し合い、お互いを尊重し合い、精一杯能力を出し合って造る家は、住む人を、家族を幸せにするんだろう。そしてそんな仕事は、自分達の心を豊かに、幸せにすることだろう。っと思って、そんな仕事を一緒にしたいという人を待っています。

 

『待てる』というのが、能力のある経営者の素質だとは思いませんが、結局のところ、僕はそれ以外に出来ないので、その代わり、『来てくれた』ものは、精一杯の技術と感謝の気持ちと、そして楽しむ遊び心で応えたいと思っています。

このショップはそんな僕の思いを、スタッフみんなで形にしたもの。
だから、とても高いエネルギーで満ちている感じがします。
よかったら、遊びに来てくださいね。

旅する木のショップであなたを『待って』います!(笑)